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スタンフォード数学サークルへの挑戦と祖母への想い

私のメールボックスにスタンフォード大学が主催する高校生向けの数学サークルに関する素晴らしいお知らせが届きました。このプログラムは、定員が65名で、毎週1回の授業が夜の6時から8時までの2時間、全10回行われるというものです。数学に対して熱意を持っている中高生が、このサークルに参加できるチャンスがあるのです。参加を希望する学生は、特に資格や特別なスキルを必要としません。


娘に「これ、スタンフォード大学が主催しているんだけど、興味がある?と尋ねたところ、彼女は目を輝かせながら即答で「ぜひ参加したい!と力強く返事をしてきました。私はメールを受信してからわずか2時間後に、すぐに申込み手続きを進めました。すると、残席がなんと6席しかないことが分かり、ギリギリのタイミングでの申し込みとなりましたが参加のチャンスを逃すことなく、ホッと胸をなでおろしました。


初回のクラスには、スクリーンに映らないように参加してみました。自己紹介を聞くと、カリフォルニア州各地の9年生男子が多数参加しており、みんな賢そうに見えました。


ブレイクルームでは4人1組になり、一緒に難題を解くことに。全員男子でしたので、娘がモジモジしないか、取り残されないか、不安でしたが、結局4つの脳をフル回転させて情報を掻き集めても解けませんでした。この時点でみんな同じかぁと少し安心しました(笑)。


クラスが終わった後、娘は「本当に久しぶりに、脳が疼くような感覚を味わったよ!と感想を嬉しそうに話していました。数学の世界がこんなにも広く深いことに感動し、学校で学ぶ数学はこれら難題を理解するための基礎的な情報でしかないのかもと考えさせられたようです。特に印象的だったのは、授業に招かれたゲストスピーカーが身にまとっていた、色とりどりの幾何学模様が施されたTシャツでした。このTシャツは、彼自身が証明した数学的な理論を象徴するもので、非常に興味深いものでした。


この授業の開始時間が祖母の火葬が行われる時間と重なっているという偶然が重なりました。娘が数学を学ぶ貴重な時間と、祖母のお見送りという特別な瞬間が交差することになりました。祖母の魂が天に昇っていく2時間の間、娘はスタンフォード大学の教授から数学を学んでいました。スタンフォード大学の存在を知るきっかけは、数年前に祖母の命を助けてくれた心臓外科医の先生がスタンフォード大学院卒で、「素晴らしい学校だからいつか行ってみてね!」と言われたことでした。


祖母の命を救ってくれた先生の通った大学に興味を持ち、スタンフォード大学が運営するオンライン高校の校長先生が出版した本を読んでみました。その中に書かれていた言葉は、私が娘に小さい頃からずっと言い続けている言葉と一字一句同じで、祖母の人生そのものを思い起こさせるものでした。そのため、遠い存在の「スタンフォード」に親近感がわき、不思議な感覚になりました。娘は、「おばあちゃんが私に頑張るようにと応援してくれているのかもしれないと思ったとのことです。この気持ちは、祖母との強い絆や、娘が大切にしている思い出と深く結びついています。


最後のお別れに帰国することはできませんでしたが、娘と一緒に祖母を思い出しながらお見送りしたことを忘れないように記録に残しておきます。


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